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2006年04月22日 [00:04] [映画レビュー]2005~ 

歓びを歌にのせて As It Is in Heaven

「歓びを歌にのせて」  5点満点中

監督・脚本:ケイ・ポラック
出演:ミカエル・ニュクビスト/フリーダ・ハルグレン/ヘレン・ヒョホルム/レナート・ヤーケル/ニコラス・ファルク/インゲラ・オールソン

■AWARDS■
★アカデミー賞★
外国語映画賞 ノミネート




■PLOT■
世界的な名声を得ている指揮者のダニエル・ダレウス(ミカエル・ニュクビスト)は、極度のプレッシャーと8年先まで隙間無く埋まっている過密スケジュールのために、精神・肉体共に限界へと達していた。ある時、舞台で倒れたダニエルは、心臓発作により倒れてしまう。スケジュールが空白になった彼は、音楽にはもう関わらず、そして人知れず暮らすために幼い頃過ごした小さな村を訪れる。しかし、彼の名声はこの小さな村にも届いており、ダニエルは村の聖歌隊の指導を頼まれる。ダニエルは断りきれず、しぶしぶ聖歌隊の練習が行われている教会を訪れる。そこでは、歌うことに喜びを感じている様々な人々がいた。聖歌隊の指揮者を引き受けるダニエル。彼らと触れ合ううちに、自らも音楽と触れ合う事に楽しみを感じ、幼き頃からの夢であった「人の心を開かせる音楽を作る」事に生きがいを感じるようになる。しかし、自由奔放なダニエルの姿は閉鎖的な村の男たちにとっては、至極不愉快に映り、ダニエルは非難の的となる。

■COMMENT■
『歓びを歌にのせて』は、私の人生観を変える素晴らしい映画でした。音楽を通して私達観客の心を開花し、生きる喜びは何かと教えてくれました。本作には確固たる魂があり、人々が「生きる」姿がある。スウェーデンで記録的な興行収入をあげて、本作の主題歌でもある「ガブリエラの歌」が何ヶ月もスウェーデンの音楽チャートでトップ10入りを果たし、アカデミー賞の外国語映画部門にもノミネートされた秀作です。

本作の冒頭は、幼い頃のダニエルが眩いばかりの黄金のライ麦畑の中で、バイオリンを弾いているシーンから始まる。画面からこぼれんばかりの圧倒的に美しいライ麦の中で、バイオリンを弾くダニエルは同級生の3人組に苛められる。なぐられ、蹴られ、息子思いである母はダニエルのために別の土地へ引っ越すのであった。母を交通事故で亡くし、狂わんばかりの猛練習で世界的な名指揮者へと成長する。しかし、心臓発作で倒れた彼は、幼い頃のこの忌まわしき思い出の地に戻ってくるのである。廃校を購入し、そこで一人暮らすダニエル。印象的なシーンは、彼は廃校からウサギが地面に積もった雪を掘っている姿を見て、カメラにおさめます。見事にウサギを写真に撮る事が出来た彼は、嬉しくなってガッツポーズで叫びます。ちょっとした幸せを感じたダニエルでしたが、そのすぐ後に何やら怪しい牧師がやって来て、そして先ほどのウサギを殺したダニエルを苛めていた同級生がやってきます。ここが本作の潔いところなのですが、本作は人生の綺麗なところだけを見せるのではなく、例えばこのシーンに見られるように田舎の閉鎖的な部分、人々が背負っている重荷など、負の部分をもあわせて見つめています。そして、その負の部分と正面から向き合う事によって、説得力を増して生きる喜びを語っています。そう、人間が生きる上ではきれい事だけではもちろん済まされずに、様々な問題が生じてくるのです。しかし、それらの問題と正面から乗り越える事によって、生きている事を実感出来るのだ感じました。そう、逃げてはダメなんだと。ダニエルが心臓発作の後に、自らの命の危険性を感じながら、何故故郷に戻ってきたのか…ダニエルは故郷へと向かう車の中で理由が不明だと語っていましたが、私には分かる気がします。幼い頃の苛められた記憶が、きっとダニエルの中で未消化になっていたのでしょう。そして、ラスト近くでダニエルが聖歌隊のメンバーの前で、苛められ、この村から去った過去を語るシーンがありますが、その時に初めてダニエルは暗い過去から解放されたのかもしれません。そう、ダニエルも真正面から自分自身を見つめなおして、自らの問題を自分の力で克服したのです。ダニエルだけなく、聖歌隊のメンバーはいずれも問題を抱えています。商売人のアールは何でも強引で口が悪く自己中心的な性格。リナはかつての男性問題の事で村人から快く思われておらず、ガブリエラは夫に暴力を振るわれており、牧師の妻は教会、そして夫に疑問を持っている。様々な問題が語られる。そのどれもが、今までの音楽映画とは異なる性質を持っており、本作は音楽映画というよりも人間を見つめたドラマである。事実、音楽のシーンは余り登場しません。

ダニエルを演じたミカエル・ニュクビストは大健闘。本作で初めてミカエルさんを見ましたが、役者ですねー。始めて見たからというのもあるかと思いますが、ミカエルさんがダニエルという指揮者にしか見えませんでした。指揮をするシーンは冒頭にしかありませんでしたが、圧倒的な威厳を見せ付けて、少しずつ変わっていくダニエル。見事でした。また、本作を監督したケイ・ポラック監督にも最大級の賛辞を贈りたいと思います。本作で18年ぶりに監督に復帰したそうですが、物語の卓越した構成力と人間ドラマの見せ方に感心しました。本作には特に一気に盛り上がるシーンは無いのですが、力強い骨太のドラマを見ることが出来ました。

私の人生に大きく影響するであろう、大切な1本です。
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2006年04月19日 [01:48] [映画レビュー]2005~ 

スタンドアップ North Country

「スタンドアップ」  5点満点中

監督:ニキ・カーロ
脚本:マイケル・ハイツマン
出演:シャーリズ・セロン/フランセス・マクドーマンド/ショーン・ビーン/ウディ・ハレルソン/ミシェル・モナハン/リチャード・ジェンキンス/シシー・スペイセク

■AWARDS■
★アカデミー賞★
主演女優賞 シャーリズ・セロン ノミネート
助演女優賞 フランセス・マクドーマンド ノミネート

★イギリス・アカデミー賞★
主演女優賞 シャーリズ・セロン ノミネート
助演女優賞 フランセス・マクドーマンド ノミネート

★ブロードキャスト映画批評家賞★
主演女優賞 シャーリズ・セロン ノミネート
助演女優賞 フランセス・マクドーマンド ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
主演女優賞 ドラマ部門 シャーリズ・セロン ノミネート
助演女優賞 フランセス・マクドーマンド ノミネート

★映画俳優組合賞★
主演女優賞 シャーリズ・セロン ノミネート
助演女優賞 フランセス・マクドーマンド ノミネート

■PLOT■
1989年、ジョージー(シャーリズ・セロン)は夫に暴力を振るわれる生活に耐えられなくなり、2人の子供を連れて故郷である北ミネソタの実家に帰る。しかし、閉鎖的な土地柄であるミネソタではシングル・マザーであり、2人の子供の父親も違うジョージーに対する態度は冷たかった。母親アリス(シシー・スペイセク)は娘を優しく見守るが、父親ハンク(リチャード・ジェンキンス)の娘に対する態度は、限りなく冷たいものがあった。両親の元でいつまでも生活をしていられないと悟ったジョージーは旧友のグローリー(フランセス・マクドーマンド)の誘いにより、彼女が働いている鉱山で働く事を決意する。しかし、鉱山には女性の居場所は無く、男性たちから不当な扱いを受け、次第に性的迫害を受けていく事となる。しかし、ジョージーは愛する2人の子供のために鉱山で働き続けるが、ある時ジョージーはレイプされる。耐えられなくなったジョージーは、現状を黙認している会社に対して訴訟を起こす事を決意する。

■COMMENT■
本作は実話を基にしており、全米で初めて集団セクハラ訴訟を起こした事件を描いている。ここ10数年で大きな問題となった「セクハラ」であるが、それ以前は「セクハラ」という概念さえなかったのである。本作では「性的迫害」という大きな問題に対して、マジメに取り組んでいる。「セクハラ」に焦点を当てているだけあって、見るのに苦しいシーンが多数あり、常に男性社会から迫害を受けるジャージーを2時間続けて見せられるので、鑑賞後はどっぷり疲れてしまいました。本作ではシャーリズ・セロン演じるジャージーを徹底的に男性社会においての被害者として認識しており、登場してくる男性はほとんど悪者として描かれている。

撮影や演技は大変良かったのだが、ニキ・カーロ監督の演出が明らかに力不足で、作り方によっては「ノーマ・レイ」のような傑作になれた作品を、平凡な1本へとさせてしまった。後半のジャージーの心理描写が極端に欠けていて、いまいち彼女にのめりこむ事が出来ず、後半の感動的なシーンも余り感心しませんでした。また、映画的山場が一切無く、常にジャージーサイドで淡々とジャージーは被害者なんですよという事実だけを追って観客に提示しているために、どこか本作には嘘が存在しているような気がしてなりませんでした。もちろん、ジャージーは被害者であるのは私にも分かりますし、男性が今では違法な態度でジャージーに性的迫害をしていたのでしょう。しかし、その描き方がどこか一方的で、ジャージーは被害者であるという事を印象付けるために、次々とジャージーを不幸な出来事が襲うので、この描き方にはイライラが募りました。ジャージーの内面をもっともっと丁寧に、彼女が男社会で迫害された事に対してどう感じたのか。悔しかったら、どのように悔しかったのか…その辺りをもっと描いてくれれば。俳優人が大変検討していただけに、非常に残念である。前作の『クジラ島の少女』は大変良かったのですが…ただ、この監督は映画的盛り上がりを作るのはいつも苦手なようです。

シャーリズ・セロンとフランセス・マクドーマンドは壮絶な体当たりの演技でアカデミー賞にノミネートされました。セロンはどんな役を演じても大変美しく・魅力的。でも、役に説得力を持たせる事が出来て、本当に上手な役者さんだと感心しました。マクドーマンドは鉱山で働く女性を生き生きと演じ、後半は彼女は病気になり台詞がなくなりますが、車椅子に座り、目や表情で感情を的確に表現し、相変わらずの芸達者ぶりでした。また、ジャージーの父親を演じたリチャード・ジェンキンスも大変重厚に重みのある名演を見せていましたが、そんな父親の行動に一つ疑問が。ジャージーに冷たく振舞う父親であったが、そんな夫に見かねてジャージーの母であり妻アリスは家を出て行きます。そしたら、完全に心を入れ替えたのか、ジャージーに100%味方する父親。あれほど冷酷にジャージーに対して冷たくしていたのに、妻が出て行っただけで娘の見方になる父親。なんか薄っぺらいし、嫌だ、こんなお父さん。

盛り上がりに欠けるので上映時間の長さは多少だるいですが、大真面目に「セクハラ」問題にを取り組んだ女性映画です。

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2006年04月19日 [00:45] [映画レビュー]2005~ 

Mr. & Mrs. スミス Mr. & Mrs. Smith

「Mr. & Mrs. スミス」  5点満点中

監督:ダグ・リーマン
脚本:サイモン・キンバーグ
出演:ブラッド・ピット/アンジェリーナ・ジョリー/ヴィンス・ボーン/アダム・ブロディ/ケリー・ワシントン


■PLOT■

運命的な出会いから運命的な結婚をし、今や結婚5・6年目を迎えたスミス夫妻。表向きはリッチではあるがいたって普通の夫婦生活を営んでいるかの如く見えた。一方、二人は夫婦生活のマンネリ化を感じ、カウンセリングを受けている。そんな二人にはカウンセラーにでさえ、とてもじゃないが言えない秘密があった。実は二人は暗殺組織のトップアサシンだった!しかも二人はそれぞれ対立する組織に属していた!お互いこの正体を隠し続けていたが、ある時、二人に同じ標的の仕事が舞い込み、ミッション遂行中の現場でばったり遭遇してしまう。正体を知られてしまった以上、生かしておけないのがこの世界のルール。二人はお互いを殺すために壮絶なる戦いの火蓋が機って落とされた!

■COMMENT■
これが不思議かな、本作は何故か評判が良い。あのアメリカのウォーク・オブ・フェイムに名を刻んだ名批評家であるロジャー・エバート氏は4点満点中3点の評価。正直、私は本作を鑑賞して『だからどうした』との感想しか持てませんでした。なので、レビューも書くのも辛いのですが…

まず、最近話題をたくさん提供してくれているブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのカップルが主演ということでちょっと興味が惹かれます。しかも、バリバリのアクション・ムービーで演出はアクションを得意とするダグ・リーマン監督。これは爽快なキレのあるアクション・ムービーだと勝手に期待して、本日新文芸座まで鑑賞に行きましたが、ぐったり。主演の二人のカリスマ性は大変光っていて、この二人は観客をスクリーンにひきつける魅力があるのだと再確認。更に、この二人が起こす「ケミストリー」は大変力強く、二人が共演する事により、お互いのスター性を何倍もの力に引き立てている。演じている二人も大変楽しく演じているのが画面を通しても伝わって来る。

まず本作はこの夫婦のカウンセリング場面から始まる。結婚5・6年目にして夫婦生活は半ばマンネリ化。はっきり言って『夫婦の危機』を迎えているようだ。彼らは殺し屋であり、お互いその秘密を隠して生活してきたのだが、その秘密が露呈される事となり、お互いを標的に『壮絶な夫婦喧嘩』がスタートされる。これぞ世界一の夫婦喧嘩だと言わんばかりに、銃撃戦バリバリのアクション・シーンが繰り広げられ、普通の夫婦であれば間違いなく死んでいるバトルを繰り広げる。閑静な住宅街で派手な銃撃戦を繰り広げるわりには警察もやって来ない。勝手にスーパーの中へ入って、殺し合い。とにかく、銃撃戦による殺し合い。何度も同じようなシーンが繰り返され、アクションが得意のはずなダグ・リーマン監督にしては技が無い。銃撃戦ばかりで大変くどく、同じような画が続くので、見ていても面白くなくキレに欠ける。本作のラストシーンは容易に想像出来るので、早クラスとへ行け!と後半になり心から願ってしまった。最後まで本作を鑑賞出来たのは、主演の二人によるスターパワーのお陰である。ただ、この二人の見せ方も、アンジェリーナ・ジョリーの太ももはセクシーでしょ?とか、ブラッド・ピットは格好いいよね?っていう撮り方をしていましたので、そのねちっこさにウンザリ。設定は絶妙であると思いますが、残念ながらその設定を存分に活かしきれず、ただの敵と火薬の量が多いだけの映画になってしまった。

ただ、喧嘩中のご夫婦でご鑑賞されると、笑えるかと思いますし、仲直りも出来るのではないかとさえ思ってしまう映画です。何にも考えずに見るにはおススメの1本!?

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2006年04月10日 [01:18] [映画レビュー]2005~ 

プロデューサーズ The Producers

「プロデューサーズ」  5点満点中 

監督:スーザン・ストローマン
出演:ネイサン・レイン/マシュー・ブロデリック/ユマ・サーマン/ウィル・フェレル/ゲイリー・ビーチ/ロジャー・バート


■AWARDS■
★ブロードキャスト映画批評家賞★
コメディ映画賞 ノミネート
ベストサウンドトラック賞 ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
作品賞 ミュージカル/コメディ部門 ノミネート
主演男優賞 ミュージカル/コメディ部門 ネイサン・レイン ノミネート
助演男優賞 ウィル・フェレル ノミネート
作曲賞 ノミネート 


■PLOT■
1959年ニューヨーク。かつてはブロードウェイで名を馳せた名プロデューサー・マックス(ネイサン・レイン)。そんなマックスも今やプロデュースする作品がなかなか当たらず、栄光はかつてのものとなっていた。自らのプロデュース作『FUNNY BOY』が興行的に大失敗を喫した後、会計士のレオポルド(マシュー・ブロデリック)が、マックスの事務所に帳簿を調べにやってくる。すると、『FUNNY BOY』の公演に際し不正帳簿を発見する。しかし、そんなレオポルドに一つのアイデアが浮かんでくる。大コケする作品を作れば作るほど、結果的にお金は儲かる。そのカラクリを発見した彼は、マックスに急き立てられ、二人でパートナーとなり始めから大コケする作品を作る事を決める。そのためには史上最低の脚本・演出家・キャストが必要であった。

■COMMENT■
かつて1968年にメル・ブルックス監督・脚本により映画化され、アカデミー賞脚本賞受賞、助演男優賞ノミネート。そして、演劇版ではトニー賞12部門咲いた受賞を果たし、トニー賞受賞キャストで完全映画化されたのが本作である。監督のスーザン・ストローマン、主演のネイサン・レイン、マシュー・ブロデリックは舞台版から続投した。まず、一番最初のナンバーはネイサン・レイン演ずるマックスの大コケ作品『FUNNY BOY』を上演している劇場から客たちが中座し出てきて、作品に難癖をつけ、マックスは最低だ!なんて観客が歌うものである。この最初ナンバーはまるで東宝制作の帝国劇場のミュージカルの出だしのようでこれからどんな物語が展開されるのだろうと見ていてわくわくしてきました。そして、マックスの事務所にマシュー・ブロデリック演じるレオポルドが尋ねてくるシーン。ここでも自然にミュージカルナンバーへと入り、更に期待は高まります。そして、ヒトラーを崇拝する男とあったり、おばあちゃん達と歌い踊り、「ヒトラーの春」なんて演劇を作り…なんてオリジナル版を見ているので、ドキドキワクワク・テンポ良く進む展開に胸は高まる・・・ハズだった。全体を通して本作には非常に残念な点が一つある。それは、監督のスーザン・ストローマンである。演出自体はもう軽快で滑稽で大変良かったのであるが、完全に本作は『舞台』になってしまっていた。本作をそのまま舞台で鑑賞すれば5点満点の評価を惜しみなくさせて頂きましたが、本作は『映画』である。映画であるが上に、出演者たちの演技は舞台上で演じられているかのごとく、大げさで常にジタバタじたばた・・・舞台であったら、オーバーアクティングは当然であるので、全体との流れと融和してこういったタイプの演技でも非常に楽しめるのであるが、映画だとダメである。これが本作を台無しにしてしまった。それに加えて常にナンバーが流れているような状況でしたので、見ていて非常に疲れてしまった。舞台でしたら、インターミッションもありますし、その場の雰囲気でついていけるのですが。本作の監督は舞台の感覚のまま映画も監督してしまったようです。出演者たちも常に動き回り、ミュージカルナンバーも常に流れて、もう大慌て。『シカゴ』を監督したロブ・マーシャルも舞台版と映画版を手掛けているが、彼の場合は舞台と映画の違いを明確に認識しており、例えば舞台では名ナンバーといわれているものでも映画版では省略したり、演技も映画俳優をメインに起用し、テンポを大事に間も大事にした。これが、本作でも欲しかったです。

本作ではユマ・サーマンがマックスの事務所で働くスウェーデンから来た女役で出演していますが、これは完全なミスキャスト。歌も下手なら、踊りも出来ない。表情も一人だけこわばっていたし…最初はニコール・キッドマンが配役されていましたが、急遽ユマ・サーマンへとチャンジしたといういわくつきの役柄。あえて、ユマ・サーマンを使わずに名の知れていない歌って踊れる舞台女優をキャスティングすれば良かったのではないかなぁと思います。セントラル・パーク等で撮影されたオープンロケのシーンが前後のシーンと比較し、かなり浮いていました。やっぱりミュージカルはセットでないとダメなんだと確信した次第です。

全体を通してメル・ブルックスが書いたわりには笑えませんでした。しかし、ミュージカルファンの方々にとっては、大いに楽しく魅力的な作品に仕上がっているのではないかと思います。序盤は余り作中の中に踏み込めないかもしれませんが、中盤辺りから劇場でも笑いがちらほら。家でTVで見るよりかは、劇場で見た方が大満足の本作。興味をお持ちの方は、是非劇場へ足を運んでみてください!

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2006年04月05日 [05:06] [映画レビュー]2005~ 

ジャーヘッド Jarhead

「ジャーヘッド」  5点満点中 

監督:サム・メンデス
出演:ジェイク・ギレンホール/ピーター・サースガード/クリス・クーパー/ジェイミー・フォックス/ルーカス・ブラック


■PLOT■
大学にも入らずただ凡庸な毎日を送っていたアンソニー・スォフォード(ジェイク・ギレンホール)は、祖父も父も叔父も軍隊に入隊していた事から自らも海兵隊に入隊を志願する。現実に海兵隊=ジャーヘッドに入隊したスォフォードは、新兵として想像を絶するほど厳しい訓練を受ける。その後はサイクス曹長(ジェイミー・フォックス)の目に留まり、厳しい訓練の末射撃隊メンバーに選ばれる。そして、実際にスォフォードはサウジアラビアへと派遣され、戦争を体験するが、それは彼が想像していた戦争とは全く異なっており、ただ単調に敵を待つだけの戦争であった…

■COMMENT■
本作は湾岸戦争に出向いた兵士の体験をもとに制作された話である。本作は決して戦争の是非を問うている作品ではなく、戦争の悲惨さを伝えている作品でもない。本作は湾岸戦争に出向いた兵士たちの日常にスポットを当てている。私の想像では戦争に出向いた兵士たちは、毎日過酷な状況下の中で、相手方との攻防を繰り広げている姿を想像していたのだが、本作は違う。戦地に出向けば、ただひたすら敵を待つだけ。たまに敵が出てきても特に激しい戦闘シーンなどは一切なし。戦地の兵士たちの馬鹿っぷりがコメディタッチで描かれているので、戦争映画として本作を鑑賞するよりも、戦地に出向いた青年たちを描いた青春映画として鑑賞するのが正しいのかもしれません。そういった観点から本作を鑑賞すると確かに、サム・メンデス監督は画の中に戦車は映すけれども決して動く姿を見せておらず、敵に向けてライフルを撃つ兵士の姿を見せる事もない。人を殺すシーンもなければ、逆に人を撃ちたくてうずうずしてしまう青年たちの姿を捉えている。なるほど、戦争というとどうも激しい戦闘シーンなどを期待してしまうのだが、こういった戦争もあるのだと実感しました。この演出が実に絶妙で面白い。湾岸戦争は結果として無駄だったのである。兵士たちは様々な馬鹿騒ぎをやらかすが、決して彼らは心から楽しんでいないのだ。その顔を映すのもメンデス監督は忘れていない。そんな戦士たちが楽しむ映画も『地獄の黙示録』と『ディア・ハンター』という反戦映画。こういったところからメッセージを発信してくる映画なのか、ふむふむ。

本作に出演していた俳優たちはいずれも曲者揃い。ジェイク・ギレンホールが素晴らしかったのは紛れもなく、ピーター・サースガードも良かった。サースガードはもうちょっと出番があれば、アカデミー賞ノミネートも夢ではなかったろうに。クリス・クーパーは2シーンしか出番がなく、ファンとしてはちょっと残念でした。ただ相変わらず素晴らしい演技でしたが。ジェイミー・フォックスは『レイ』でアカデミー主演男優賞を受賞してからの初めての作品でしたが、本作でも力強い演技を見せてくれました。

サム・メンデス監督の個性溢れる演出の中、湾岸戦争に赴いた一青年の視点から見た『戦争』を描いた秀作です。

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