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    2006年04月15日 [01:40] [映画レビュー]1970~1979年 

    ミーン・ストリート Mean Streets

    「ミーン・ストリート」  5点満点中 

    監督:マーティン・スコセッシ
    出演:ハーヴェイ・カイテル/ロバート・デ・ニーロ/エイミー・ロビンソン/デヴィッド・プローバル/マリリン・ハセット/デヴィッド・キャラダイン/リチャード・ロマナス



    ■AWARDS■
    ★全米映画批評家賞★
    助演男優賞 ロバート・デ・ニーロ 受賞

    ★全米脚本家組合賞★
    脚本賞 ノミネート





    ■PLOT■
    ニューヨークで生まれ育っている27歳のチャーリー(ハーヴェイ・カイテル)は父親を亡くし、母親と二人で暮らしていた。定職も無く、叔父の仕事の手伝いをし、友人が経営するバーに入り浸る毎日を送り、生きる目的を見失いかけていた。そんなチャーリーを悩ましているのは親友ジョニー・ボーイ(ロバート・デ・ニーロ)。ジョニーは出会う人・出会う人に金を借り、女や酒に金を遣い、各地で大騒ぎを起こし、気ままな毎日を送っている。チャーリーの友人の高利貸しマイケル(リチャード・ロマナス)は、ジョニー・ボーイに金を貸しており、金を返さないジョニーをいつも追い回していた。ジョニーの保証人のチャーリーはマイケルに「ジョニーが金を返さないとジョニーに危害を加える」と脅される。チャーリーはジョニーを説得するもジョニーにはマイケルに金を返さずに、遊び歩く毎日を送る…

    ■COMMENT■
    今やアメリカ映画界において、伝説となっているマーティン・スコセッシ監督の初期の傑作。本作からスコセッシ×デニーロのコンビは様々な傑作を生み出していく。「タクシー・ドライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」「カジノ」…本作では若干30歳だったスコセッシが若者の思春期の姿を鋭く抉り出している。「若さ」のエネルギーが満ち溢れる作品へと仕上がっており、若かりし頃のスコセッシだからこそ撮る事が出来た作品であろう。ニューヨークに暮らす若い男性たちの生きる姿に焦点を当てており、彼らの野生的なパワーが作品に力を与えている。逆に言えば、「若い」なりに様々な愚かな事をしてしまう若者たち。特にジョニー・ボーイは周りから何を言われても自らの生き方を決して変えない。これが若者が有するパワーなのである。

    若者たちは曖昧な人生を送っており、自分が何をすべきか良く分かっていない。その姿を反映させてか、映画自体も余り判然とせずに、最近のスコセッシのようにスパッスパッと物語りは進まない。映画自体は非常にしゃれていて、かっこいいのだが、若干疑問の残る演出と相成りました。結局、これから先何が起こるのであろうかという期待が高まる中で、空回りして終わってしまった感は拭えません。
    ロバート・デ・ニーロは何をするか分からない当時の危険で儚い若者を演じ、凄まじい印象を残しました。同年の「バング・ザ・ドラム・スローリー」と共に、73年は高評価を受け、翌年フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー PARTII」にてアカデミー賞助演男優賞を受賞と一気に名優への仲間入りを果たします。

    スコセッシ×デニーロの記念すべき初コンビの本作。若い才能が集結したパワー溢れる作品へと仕上がっています。
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    2006年04月08日 [23:14] [映画レビュー]1970~1979年 

    鏡の中の女 Face to Face

    「鏡の中の女」  5点満点中 

    監督:イングマール・ベルイマン
    出演:リブ・ウルマン/エルランド・ヨセフソン/グンナール・ビョルンストランド/レナ・オリン/カリ・シルバン

    ■AWARDS■
    ★アカデミー賞★
    監督賞 イングマール・ベルイマン ノミネート
    主演女優賞 リブ・ウルマン ノミネート

    ★イギリス・アカデミー賞★
    主演女優賞 リブ・ウルマン ノミネート

    ★ゴールデン・グローブ賞★
    主演女優賞 ドラマ部門 リブ・ウルマン ノミネート
    外国語映画賞 受賞

    ★ロサンゼルス映画批評家賞★
    主演女優賞 リブ・ウルマン 受賞
    外国語映画賞 受賞

    ★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
    主演女優賞 リブ・ウルマン 受賞

    ★ニューヨーク映画批評家賞★
    主演女優賞 リブ・ウルマン 受賞

    ■PLOT■
    ストックホルムの総合病院に勤める精神科医エニー・イサクソン(リブ・ウルマン)は、幼い頃に両親を亡くし、祖父母に育てられて何不自由なく恵まれた生活を送っていた。彼女が担当しているマリヤ(カリ・シルバン)は、精神的に一向に回復する様子を見せず、自らの医師としての無力さを痛切に感じていた。そんなエニーは婦人科医のトーマ(エルランド・ヨセフソン)と知り合い、食事をし、朝まで語り合う。その一方で、マリヤが昔のエニーの家で気を失って倒れているとの知らせを受け。そこをエニーが訪れると、マリヤは二人の男に連れ込まれていた。エニーはその二人の男に強姦されそうになる…エニーは精神的に不安定になり幻覚をも見るようになり、遂には自殺未遂をするが…

    ■COMMENT■
    スウェーデンの名匠イングマール・ベルイマン監督による『ファニーとアレクサンドル』『叫びとささやき』『狼の時刻』等と並ぶ最高傑作の一つである。本作はベルイマンの演出の頂点を極めており、リブ・ウルマンの見せる演技も、映画史上最高だと評する人も多い。

    本作は幼児期の記憶や現在の自分自身に苦悩する精神科医に焦点を当てた人間ドラマであり、彼女の苦悩が我々観客の緊張感を煽り、彼女の見る幻影が我々の不安を掻き立てる。主人公のエニーの気持ちが左右されると同時に観客の心も見事に揺さぶられる。本作では人間の本質にまで迫り、恐ろしい程に精神的に肉迫され、現実の残酷さを淡々と見せられ、現実の前では私達人間の生身の叫び声でさえもかき消される。しかし、ベルイマンはさすが一筋縄ではいかず、現実の残酷さを描くと共に、エニーの死んだ両親を夢の中に登場させ、彼女を救う事も忘れていない。

    本作の主人公エニーは日常生活の中でふと自己を見つめ直す。真実の自分を見つめる事により、自分自身を否定し、自分自身を抹消し、新しい自分として生まれ変わりたいと願う事になる。この感情を壮絶に表現しているシーンとして、エニーが自分自身で自分を棺桶の中に入れ、棺桶に火をつける。これは、自分自身への嫌悪の感情以外何物でもない。そして、エニーは現実に自殺を試みる。他の方々がどうかは私は知らないが、私自身も自身は嫌悪する感情がどこかに存在し、今の自分から新たな自分へと生まれ変わりたいとどこかで思っているのかもしれない。本作を鑑賞し、エニーに大いに共感し、恐ろしさを覚えると共に大いに感動した人間の本質にまで深く迫っており、人間の存在価値まで本作は問うている。ベルイマンの観念に深く触れる事が出来る名作である。

    リブ・ウルマンの演技は映画史に残る名演技で、人間の表と裏、常に私たちが抱えている不安を見事に表現している。それでいて抑制が効いた演技であり、身振り手振りで精神異常者を演じるようなことは決してない。エニーが幻覚を見るシーンで、夜ふと目覚めると部屋の片隅に老婆がおり、こちらを見ているシーンがあるのだが、こういった演出は下手するとB級ホラーになってしまうが、ウルマンの説得力ある演技・ベルイマンの素晴らしい演出より、自然に見る事が出来る。

    ベルイマンとしては、鑑賞していて作中に入り易いですし、不可解な点も多くない。人間の本質に迫っているので、思想・哲学的に考えさせられる名作です。

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    2006年03月10日 [23:32] [映画レビュー]1970~1979年 

    ゴッドファーザー The Godfather

    「ゴッドファーザー」  5点満点中 

    監督:フランシス・フォード・コッポラ
    脚本:マリオ・プッゾ/フランシス・フォード・コッポラ
    出演:マーロン・ブランド/アル・パチーノ/ロバート・デュバル/ジェームス・カーン/ジョン・カザール/ダイアン・キートン/タリア・シャイア/リチャード・カステラーノ/スターリング・ヘイデン

    ■AWARDS■
    ★アカデミー賞★
    作品賞 受賞
    主演男優賞 マーロン・ブランド 受賞<拒否>
    脚色賞 受賞

    監督賞 フランシス・フォード・コッポラ ノミネート
    助演男優賞 ジェームス・カーン ノミネート
    助演男優賞 ロバート・デュバル ノミネート
    助演男優賞 アル・パチーノ ノミネート
    衣装デザイン賞/編集賞/録音賞/作曲賞 ノミネート

    ★イギリス・アカデミー賞★
    作曲賞 受賞

    主演男優賞 マーロン・ブランド ノミネート
    助演男優賞 ロバート・デュバル ノミネート
    助演男優賞 アル・パチーノ ノミネート
    衣装デザイン賞 ノミネート

    ★全米映画組合賞★
    監督賞 フランシス・フォード・コッポラ 受賞

    ★ゴールデン・グローブ賞★
    作品賞 ドラマ部門 受賞
    主演男優賞 ドラマ部門 マーロン・ブランド 受賞
    作曲賞/脚本賞 受賞

    主演男優賞 アル・パチーノ ノミネート
    助演男優賞 ジェームス・カーン ノミネート

    監督賞 ボブ・フォッシー ノミネート
    助演女優賞 マリサ・ベレンソン ノミネート
    作曲賞/主題歌賞/脚本賞 ノミネート

    ★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
    助演男優賞 アル・パチーノ 受賞
     
    ★全米映画批評家賞★
    主演男優賞 アル・パチーノ 受賞

    ★ニューヨーク映画批評家賞★
    助演男優賞 ロバート・デュバル 受賞

    ★全米脚本家組合賞★
    脚色賞 受賞

    ■PLOT■
    イタリア系マフィアであるコルレオーネ家のドンビトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の屋敷で、ビトーの娘であるコニー(タリア・シャイア)の結婚式が盛大に行われている。コルレオーネ一族が全員集合し、ビトーを長とする「ファミリー」が集っていた。その結婚式の最中、ビトーは彼の元に助けを求めてやってくる人々の相談事を聞いていた。ビトーは彼らの悩みを、いかなる形でも解決していた。その代償としてビトーが彼らに求めるものは唯一つ、コルレオーネファミリーの長として、「ゴッドファーザー」としてビトーを敬う事だけであった。 そして、歌手として成功していたジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)もゴッドファーザーを頼って結婚式へと姿を現す。ビトーはジョニーの名付け親であり、ジョニーがショービジネスの世界で活躍出来ているのもビトーのお陰であった。ジョニーは一時期ショービジネス界の頂点に立ったが、今は歌が次第にだめになり、俳優として成功しなければ芸能界から消えてしまうほどの落ち目の状態であった。ジョニーは新作映画で自分に完璧に合う役柄を見つけ、何としてもこの役柄を手に入れてカムバックしたいと画策していた。しかしその映画のプロデューサー、ウォルツ(ジョン・マーレイ)はジョニーに恨みを抱いており絶対にジョニーに役をやらないと動かなかった。この訴えを聞いたビトーは、義理の息子であるトム・ヘイゲン(ロバート・デュバル)をハリウッドに行かせ、ウォルツと話をさせる。それでも、頑としてジョニーに役を与える事を拒否するウォルツ。その翌朝、ウォルツのベッドには彼が60万ドルで買った自慢の名馬の生首が転がっていた。数日後、念願叶い、ジョニーは役を手にすることとなる。

    ■COMMENT■
    映画史上において今も尚、その輝きが色褪せる事ない名作『ゴッドファーザー』。フランシス・フォード・コッポラによるまるで琴糸のように触れたらすぐに切れそうだけれども頑丈な演出とニノ・ロータによる不朽の名曲が見事に絡み合い、そこに当時はまだまだ映画人としては知名度にかける俳優達がコラボレートして見事な名作が誕生した。

    愚直かもしれないが、簡単に一言で言えばイタリア系のマフィアの話である。配給先のパラマウントは、実際のイタリア系のマフィアからの抗議を抑えるために監督にイタリア系の当時は監督としては一切無名のコッポラを起用する。(『パットン大戦車軍団』でアカデミー賞脚本賞は受賞済み)これが見事に当たり、コッポラも名匠への仲間入りを果たす事となる。エリア・カザンも監督の候補として一事挙がっていました。しかし、ブランドの一言により、カザンによる監督は無くなったと言います。(カザンとブランドは50年代に絶縁していました。カザンのお陰でブランドは映画俳優として生計を立てることが出来るようになったというのに!)ピーター・ボグダノヴィッチも監督のオファーを蹴った一人です。

    本作は中々俳優が決まらなかった事でも有名である。ビトーの役は当初、フランク・シナトラやローレンス・オリビエ、アーネスト・ボーグナイン、エドワード・G・ロビンソン、オーソン・ウェルズ、ジョージ・C・スコットが候補に挙がっていた。オリビエが演じるビトーなんて!!!考えただけでもぞくぞくする。でも結果として、ブランドを起用したのは大正解だったであろう。アル・パチーノが手にしたマイケルも中々決まらなかった。候補に挙がっただけでも、ジェームス・カーンを始め、ウォーレン・ビーティー、バート・レイノルズ、ダスティン・ホフマン、ジャック・ニコルソン、ライアン・オニール、ロバート・レッドフォード、ロバート・デニーロ、マーティン・シーンとそうそうたるメンバーである。一時はバート・レイノルズに内定したが、当時TVをメインに活躍していたレイノルズをブランドが嫌い、演劇で活躍していたトニー賞を獲得したばかりのアル・パチーノに役がまわったとのエピソードがある。個人的にキャスティングの希望を出すとすれば、ビトーはマーロン・ブランド、マイケルはアル・パチーノ、フレドはジョン・カザール、トム・ヘイゲンはデュバルは鉄板として、ソニーをロバート・デニーロにして、ジェームス・カーンはモー・グリーンにまわす。若き日のビトーはウォーレン・ビーティーか。とにかく、デニーロのソニーが見たい!

    しかし、キャスティングは見事にはまっており、史上最高の演技集団と化している。マーロン・ブランドはブルドッグメイクをして、アカデミー賞を受賞した「波止場」以上の名演を見せている。台詞を暗記しなかったブランドは常にカンペを見て台詞を言っていたらしいですが、これをも感じさせずに、ゴッドファーザーを強大な存在感をも併せ持ち演じている。しかし、このブランドの演技を引き立たせたのが、マイケルを演じたアル・パチーノである。ビトーとマイケルの病院でのシーン。なんとも泣かせるではないか。ビトーの亡き後、ファミリーはソニーに継がせるつもりでいたが、ソニーはその器ではない事も分かっている。資質はマイケルにあることを分かっているのだ。しかし、ビトーとしてはマイケルにはファミリーとは一切無縁に、平和で普通な人生を送って欲しいと切に願っている。しかし、現実はそうはいかないのだ。それを涙で嘆くビトー。そう本作は父と子の愛の物語でもあるのだ。ビトーの義理の息子であるトム・ヘイゲンはビトーに拾われ、養子入りした。弁護士の資格を取り、ファミリーのために働いている。このエピソードだけでもビトーの性格を知ることが出来る。

    ロバート・デュバルの演技は大変緻密に計算されていて、私が最も好みとする演技タイプである。きっとデュバルは口元を少しだけ左上がりにさせるタイミングだとか、まばたきのタイミングでさえ計算していたように思える。感情を表に出さない役柄でも、しっかりと自分をアピールしたデュバルは素晴らしい。逆に感情を全て表に出すジェームス・カーンも大健闘している。役柄としては、俳優にとっては演じやすいとは思うが、味があって非常にうまい。

    撮影も脅威である。照明を上からあてて、影を作り出す。なんとも言えず独特な撮影方法は伝説となった。わりとひきで撮っているシーンが多いのも特徴の一つですね。

    私が一番好きなシーンが、ビトーが死にマイケルがファミリーのドンとなるシーン。「会談を一番最初に持ちかけてきた奴が裏切り者だ」というビトーに一言に習い、ファミリーの敵を抹殺していくマイケル。その一方でマイケルは誕生した子供の洗礼式に出席している。最も神聖な場にいるマイケルの指示で、殺人が繰り広げられる。恐ろしい演出である。

    書くと長くなるので、そろそろ終わり。
    とにかく完璧な映画です。

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    2006年03月10日 [01:10] [映画レビュー]1970~1979年 

    キャバレー Cabaret

    「キャバレー」  5点満点中 

    監督:ボブ・フォッシー
    脚本:ジェイ・アレン
    出演:ライザ・ミネリ/マイケル・ヨーク/ジョエル・グレイ/ヘルムット・グリーム/フリッツ・ウェッパー

    ■AWARDS■
    ★アカデミー賞★
    監督賞 ボブ・フォッシー 受賞
    主演女優賞 ライザ・ミネリ 受賞
    助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞
    編集賞/撮影賞/美術賞/主題歌賞 受賞

    作品賞 ノミネート
    脚色賞 ノミネート

    ★イギリス・アカデミー賞★
    作品賞 受賞
    監督賞 ボブ・フォッシー 受賞
    主演女優賞 ライザ・ミネリ 受賞
    最優秀新人賞 ジョエル・グレイ 受賞
    撮影賞/美術賞/サウンドトラック賞 受賞

    助演女優賞 マリサ・ベレンソン ノミネート
    脚本賞/撮影賞/編集賞/衣装デザイン賞 ノミネート

    ★全米映画組合賞★
    監督賞 ボブ・フォッシー ノミネート

    ★ゴールデン・グローブ賞★
    作品賞 ミュージカル・コメディ部門 受賞
    主演女優賞 ミュージカル・コメディ部門 ライザ・ミネリ 受賞
    助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞

    監督賞 ボブ・フォッシー ノミネート
    助演女優賞 マリサ・ベレンソン ノミネート
    作曲賞/主題歌賞/脚本賞 ノミネート

    ★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
    作品賞 受賞
    監督賞 ボブ・フォッシー 受賞
    助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞
    助演女優賞 マリサ・ベレンソン 受賞 

    ★全米映画批評家賞★
    助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞

    ★全米脚本家組合賞★
    脚色賞 受賞

    ■PLOT■
    1930年代ドイツ・ベルリン。街は何万人もの失業者に溢れ、政局はナチスが台頭し大混乱を極めていた。そんな中、キャバレー「キット・カット・クラブ」では世間の雑事とは一切無縁であった。アメリカ人の若きサリー・ボウルズ(ライザ・ミネリ)は、女優を夢見てキャバレーの舞台に立ち続けていた。彼女のアパートの隣室に英国人の教師ブライアン(マイケル・ヨーク)が越してくる。ブライアンは女性に対して不能者であると思われたが、サリーと恋におちる。

    ■COMMENT■
    『オール・ザット・ジャズ』『レニー・ブルース』でアカデミー賞作品賞・監督賞にノミネートされた、ミュージカルの神様と呼ばれるボブ・フォッシーが『ゴッドファーザー』のフランシス・フォード・コッポラを退けてアカデミー賞監督賞を受賞した名作ミュージカル。初めて高校生の頃鑑賞した時はライザ・ミネリの良さはかろうじて分かったものの、キャバレーのMCを演じたジョエル・グレイの存在価値が良く分からず、気持ち悪いなとの印象しかなかったが、少し大人になってどんどん良さが分かって来た。本作の全てはキャバレーのMCであるジョエル・グレイが握っていると言っても過言ではない。ジョエルとキャバレーで働き女優を目指すショーガールを演じたライザが完全に心地よく飽和して
    いて、化学反応を起こし、本作の出来を不動のものとしている。後にも先にもこのようなミュージカルは二度と出来ないだろう。

    本作はフォッシーの持ち味とも言える振付が存分に生かされていないように一見見えがちだが、小さなキャバレーの舞台上で、フォッシーが舞台で今まで積み上げて来たものがいかんなく発揮されている。また、映画監督として2作目で本作を演出したと思うと脅威である。まず映画のファーストシーンが素晴らしい!そこはキャバレー。バックではキャバレーの楽団が何やら楽器の試し演奏をしている音が聞こえる。カメラがスローでレフトへと動き、突如顔が白塗りのキャバレーのMCが現れ、カメラ目線で観客に向かって、にやりと不気味な笑みを投げ掛ける。そこから『Willcomen』というナンバーが始まる。『Willcomen』とはドイツ語で『ようこそ!』という意味であり、キャバレーにいる人々にショーの始まりにMCがショーの出演者たちと共に歌をもって出迎える。そして、私たち観客にも映画の始まりをキャバレーのショーをもって、歓迎してくれる。シカゴ』のファーストナンバー『All That Jazz』ように決して派手なナンバーではないが、観客の中にナチスの将校らしき人物が見受けられたりと、本作の背景とテイストを私たち観客に知らせる役割を果たしている。なんとも言えないエロティックで退廃的な雰囲気が漂う。このファーストシーンで、フォッシーは、当時のベルリンの絵画を何枚か画面全体に写し、完全に当時の時代背景を醸し出す事を演出により成功させている。また、もう一つ驚くべき演出は、カメラの前に何人も人が過ぎるのだ。それにより、より我々がキャバレーの客となり舞台を鑑賞している感覚に陥る。

    映画が進むにつれて、何か進展がある度にキャバレーシーンへと切り替わり、MCがナンバーを繰り広げる。MCは狂言回りのような役割である。ジョエル・グレイはこのMCの役で、アカデミー賞助演男優賞に輝いた。またこの時に同部門にノミネートされていたのが強敵ぞろいで、『ゴッドファーザー』組みから本命と目されていたアル・パチーノをはじめとして、ジェームス・カーン、ロバート・デュバルを抑え受賞した。また、本作の舞台版では同役を演じトニー賞の主演男優賞を受賞している。私はかつて、1999年と2003年のリバイバル版の「キャバレー」を鑑賞しましたが、MCを演じたアラン・カミングや日本でもお馴染みのアメリカンホームドラマである「フルハウス」のジェシーおじさんをずっと演じていたジョン・ステイモスがこのMC役に挑みましたが、共に健闘していたものの、グレイのMCには足元にも及んでいませんでした。役柄へのアプローチの仕方が全く違ったのにも驚きましたが、グレイと同じようなキャラクター形成で臨むと確実にグレイの陰に隠れてしまうので、あえて変えたんだと思いますが、改めてグレイの演技の素晴らしさに感嘆したものでした。まるでナイトメアのような、悪魔的な演技。でもどこかクリーミーでまろやかなんです。人間とはとても思えないようなキャラクター造詣で、グレイの生涯の当たり役とも言えるでしょう。

    本作でアカデミー主演女優賞を獲得したのが、ジュディー・ガーランドの娘であるライザ・ミネリである。お母さんと同じで歌も大変上手で(今年アカデミー賞を受賞したリース・ウィザスプーンはとてもとても及びません)大変自然体で、生き生きと演じていました。誰もが納得の受賞でしょう。残念ながら、アカデミー助演女優賞にはノミネートされませんでしたが、モデルから転向したマリサ・ベレンソンも大変繊細で的確な演技を見せていたので良かったです。このようなミュージカル映画で歌を歌わずに自分をアピールするのは非常に難しいのですが、しっかり本作の中で自分の居場所を見つけ、自らをアピールしていたように思います。

    本作はミュージカルがメインである一方で、しっかりと当時の時代背景や問題を提示していました。問題とはナチスです。ジョエル・グレイがゴリラと一緒に踊り歌う「If You Could See Her」でもナチスを皮肉っていますが、一番怖い演出が「Tomorrow Belongs to Me」です。一人の美青年がナチスの歌を歌い、それはただただ美しい歌声に耳を傾けるだけだと思いきや、周りの人々がその美青年に加わり、皆でナチスのための歌を歌う。美しい歌がナチスによる恐怖の歌へと変貌する瞬間である。ナチスにより、殴られ、殺されていく人々。死体が平然と街中に転がっている。そんな現実とも直面する。サリーもMCもブライアンも時代による被害者なのである。

    ただのミュージカルでなく、時代を映した映画です。

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    2006年02月13日 [23:14] [映画レビュー]1970~1979年 

    ナイル殺人事件 Death on the Nile

    「ナイル殺人事件」  5点満点中 

    監督:ジョン・ギラーミン
    脚本:アンソニー・シェイファー
    音楽:ニノ・ロータ
    出演:ピーター・ユスティノフ/ジェーン・バーキン/ベティ・デイビス/マギー・スミス/ミア・ファロー/サイモン・マッコーキンデイル/ジョージ・ケネディ/アンジェラ・ランズベリー/ジャック・ウォーデン/デイビッド・ニーブン/ジョン・フィンチ/サム・ワナメイカー/ロイズ・チャイルズ

    ■AWARDS■
    ★アカデミー賞★
    衣装デザイン賞 受賞

    ★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
    助演女優賞 アンジェラ・ランズベリー 受賞

    ★ゴールデン・グローブ賞★
    外国語映画賞 ノミネート

    ★イギリス・アカデミー賞★
    衣装デザイン賞 受賞

    主演男優賞 ピーター・ユスティノフ ノミネート
    助演女優賞 アンジェラ・ランズベリー ノミネート
    助演女優賞 マギー・スミス ノミネート

    ■PLOT■
    推理小説の女王アガサ・クリスティの原作をもとに、完全映画化。
    莫大な遺産を相続したリネット(ロイス・チャイルズ)は、友人のジャクリーン(ミア・ファロー)の婚約者であるサイモン(サイモン・マッコーキンデイル)を奪い、結婚する。二人の新婚旅行先はエジプト。しかし、エジプトまでサイモンに捨てられたジャクリーンが姿を見せ、二人の前に現れては嫌がらせをする。偶然にもこの現状を知ったポアロ(ピーター・ユスティノフ)は、友人のレース(デイビッド・ニーブン)になんとか円満に解決できないかと相談する。そんな中、ナイルクルーズ「カルナック号」に乗車するリネット&サイモン、ポアロたち一行。そのカルナック号にも現れるジャクリーン。そして不可解な事にこの船の乗客は皆リネットに恨みを抱いている者ばかり。ポアロは一抹の不安を抱いたが…リネットが寝室で死体となって発見される。しかしこれは、ナイル川船上連続殺人事件の序章に過ぎなかった。

    ■AWARDS■
    大満足です!!!!!

    イギリスのEMI社が製作した「オリエント急行殺人事件」に続くクリスティ作品映画化の第2弾。映画史上オールスターキャストの点では滅多にひけをとらない作品でしょう。監督は「キングコング」のジョン・ギラーミン。音楽は「ゴッドファーザー」のニノ・ロータ。脚本は「アマデウス」「エクウス」のピーター・シェイファーと双子の兄弟である究極の名作「探偵スルース」を書いたアンソニー・シェイファー。またキャストの方々もアカデミー賞受賞・ノミネート経験のある方々ばかり。そして、エジプトの壮大な景色を背に、演技のコラボレーションが繰り広げられる。この映画で初めてマギー・スミスを見て、それ以来彼女の大ファンになりました。

    原作では大変な長編作品であるが、その原作を140分用の映画に巧みに脚色したシェイファーにまず驚嘆した。作品自体はクリスティー自身も気に入っている作品なので、面白い。また、ギラーミン監督による演出も140分ある上映時間中、ずっと引き付けておくだけの力があり、140分間あっという間でした。

    「オリエント急行殺人事件」のポアロ役アルバート・フィニーも良かったが、今回のピーター・ユスティノフも負けていない。本作のポアロ役も一番最初はフィニーにオファーがいったが、エジプトの猛暑の中での撮影が嫌だといって、オファーを蹴った。なので、ユスティノフのポアロも見る事が出来て幸せ。なんかユスティノフのポアロは原作のポアロらしくないといえばそれまでなのだが、ポアロのキャラクター像に新たな息吹を吹き込んでくれて良かった。僕はユスティノフ=ポアロが一番好き。

    この事件の謎解きやクライマックスシーンに至るまで、またエジプトの遺跡やピラミッド、ナイル川などなど映画ならではの楽しさがあり、視覚の面でも大変楽しませてくれました。

    未見の方に自信を持ってお勧めできる作品です。

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      日本一早いアカデミー賞ノミネート&受賞予想、年代を問わない数々の作品のレビュー。
      当ブログで独自に設立した映画賞、FAAのブログ。



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