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2006年04月08日 [23:14] [映画レビュー]1970~1979年 

鏡の中の女 Face to Face

「鏡の中の女」  5点満点中 

監督:イングマール・ベルイマン
出演:リブ・ウルマン/エルランド・ヨセフソン/グンナール・ビョルンストランド/レナ・オリン/カリ・シルバン

■AWARDS■
★アカデミー賞★
監督賞 イングマール・ベルイマン ノミネート
主演女優賞 リブ・ウルマン ノミネート

★イギリス・アカデミー賞★
主演女優賞 リブ・ウルマン ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
主演女優賞 ドラマ部門 リブ・ウルマン ノミネート
外国語映画賞 受賞

★ロサンゼルス映画批評家賞★
主演女優賞 リブ・ウルマン 受賞
外国語映画賞 受賞

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
主演女優賞 リブ・ウルマン 受賞

★ニューヨーク映画批評家賞★
主演女優賞 リブ・ウルマン 受賞

■PLOT■
ストックホルムの総合病院に勤める精神科医エニー・イサクソン(リブ・ウルマン)は、幼い頃に両親を亡くし、祖父母に育てられて何不自由なく恵まれた生活を送っていた。彼女が担当しているマリヤ(カリ・シルバン)は、精神的に一向に回復する様子を見せず、自らの医師としての無力さを痛切に感じていた。そんなエニーは婦人科医のトーマ(エルランド・ヨセフソン)と知り合い、食事をし、朝まで語り合う。その一方で、マリヤが昔のエニーの家で気を失って倒れているとの知らせを受け。そこをエニーが訪れると、マリヤは二人の男に連れ込まれていた。エニーはその二人の男に強姦されそうになる…エニーは精神的に不安定になり幻覚をも見るようになり、遂には自殺未遂をするが…

■COMMENT■
スウェーデンの名匠イングマール・ベルイマン監督による『ファニーとアレクサンドル』『叫びとささやき』『狼の時刻』等と並ぶ最高傑作の一つである。本作はベルイマンの演出の頂点を極めており、リブ・ウルマンの見せる演技も、映画史上最高だと評する人も多い。

本作は幼児期の記憶や現在の自分自身に苦悩する精神科医に焦点を当てた人間ドラマであり、彼女の苦悩が我々観客の緊張感を煽り、彼女の見る幻影が我々の不安を掻き立てる。主人公のエニーの気持ちが左右されると同時に観客の心も見事に揺さぶられる。本作では人間の本質にまで迫り、恐ろしい程に精神的に肉迫され、現実の残酷さを淡々と見せられ、現実の前では私達人間の生身の叫び声でさえもかき消される。しかし、ベルイマンはさすが一筋縄ではいかず、現実の残酷さを描くと共に、エニーの死んだ両親を夢の中に登場させ、彼女を救う事も忘れていない。

本作の主人公エニーは日常生活の中でふと自己を見つめ直す。真実の自分を見つめる事により、自分自身を否定し、自分自身を抹消し、新しい自分として生まれ変わりたいと願う事になる。この感情を壮絶に表現しているシーンとして、エニーが自分自身で自分を棺桶の中に入れ、棺桶に火をつける。これは、自分自身への嫌悪の感情以外何物でもない。そして、エニーは現実に自殺を試みる。他の方々がどうかは私は知らないが、私自身も自身は嫌悪する感情がどこかに存在し、今の自分から新たな自分へと生まれ変わりたいとどこかで思っているのかもしれない。本作を鑑賞し、エニーに大いに共感し、恐ろしさを覚えると共に大いに感動した人間の本質にまで深く迫っており、人間の存在価値まで本作は問うている。ベルイマンの観念に深く触れる事が出来る名作である。

リブ・ウルマンの演技は映画史に残る名演技で、人間の表と裏、常に私たちが抱えている不安を見事に表現している。それでいて抑制が効いた演技であり、身振り手振りで精神異常者を演じるようなことは決してない。エニーが幻覚を見るシーンで、夜ふと目覚めると部屋の片隅に老婆がおり、こちらを見ているシーンがあるのだが、こういった演出は下手するとB級ホラーになってしまうが、ウルマンの説得力ある演技・ベルイマンの素晴らしい演出より、自然に見る事が出来る。

ベルイマンとしては、鑑賞していて作中に入り易いですし、不可解な点も多くない。人間の本質に迫っているので、思想・哲学的に考えさせられる名作です。

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