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2006年04月21日 [04:57] [映画レビュー]1930~1939年 

ゾラの生涯 The Life of Emile Zola

「ゾラの生涯」  5点満点中

監督:ウィリアム・ディターレ
脚本:ノーマン・ライリー・レイン/ヘインズ・ヘラルド/ゲザ・ハーゼック 
出演:ポール・ムニ/ジョゼフ・シルドクラウト/ゲイル・ソンダーガード/グロリア・ホールデン/ドナルド・クリスプ/ルイス・カルハーン

■AWARDS■
★アカデミー賞★
作品賞 受賞
助演男優賞 ジョゼフ・シルドクラウト 受賞
脚本賞 受賞

監督賞 ウィリアム・ディターレ ノミネート
主演男優賞 ポール・ムニ ノミネート
助監督賞/原案賞/美術賞/作曲賞/録音賞

★ニューヨーク映画批評家賞★
作品賞 受賞
主演男優賞 ポール・ムニ 受賞


■PLOT■
1862年、フランス・パリ。小説家であるエミール・ゾラ(ポール・ムニ)は画家であるセザンヌと一緒にある家の屋根裏部屋を借りて、極端に生活費を切り詰めた貧乏生活を送っていた。その日の食べるものにも困り、暖炉にくべる薪も無かったが、情熱だけは燃やしていた。ある日、下町で偶然であった娼婦を描いた小説「ナナ」が爆発的に売れ、ゾラは一躍著名人へとなる。その後も著書が次々とベストセラーになっていく。大きな家を買い、豪奢な生活を送るゾラ。そんな中、ゾラの生活ぶりを見ていたセザンヌはゾラに失望し彼の元から去っていく…その一方、大文豪の仲間入りへとなる「フランス・アカデミー会員」へ推薦される事が決まったゾラ。もはや欲しいものは全て手に入れたと豪語するゾラであったが、ゾラのもとを一人の夫人が尋ねてくる。ドレフュス大尉がドイツの通牒者であるとの疑いで逮捕され、世間を圧倒的に騒がせている通称「ドレフュス事件」にて逮捕されたドレフュス大尉の夫人であった。ドレフュス夫人は、夫は必ず無実であり、冤罪で悪魔島に幽閉されていると言う。無実である証拠もあると。そして、ゾラにこの事件について、誌上にて政府に抗議して欲しいと願い出る。しかし、ゾラは「フランスアカデミー会員」に推される事が決まっているために、ここでドレフュスの見方になると国賊とみなされると考え、夫人に協力を断るのであった…

■COMMENT■
「伝記の雄」と呼ばれたウィリアム・ディターレ監督によるエミール・ゾラとドレフュス事件を描いた作品である。「伝記の雄」と呼ばれたディターれ監督の作品にも関わらず、残念ながら歴史の観点に注目を当てると粗野に描き過ぎているとの印象を受けるし、もうちょっとドラマティックに、映画的な盛り上がりがあっても良かったのではなかったかと思う。もうちょっとゆっくり、1つ1つ丁寧に、そして伝記ものは歴史に忠実に、描いていただければ更に良くなったのではないかと思います。そうは言っても、エミール・ゾラが侮辱罪において法廷に召喚された時の緊張感はたまらなかった。これぞ手に汗握るといった感じでした。

史実では、ドレフュス事件の被害者であるドレフュス大尉はユダヤ人であり、多少気取り屋で高慢なところがあり、有能な仕官であった事から、真犯人によってドレフュスの筆跡を真似られて偽装文章を作成され、逮捕される事となる。しかし、本作では彼がユダヤ人だということには触れられておらず、彼の性格についても正確に描かれていない。ドレフュスという人間を大分脚色していたようである。確かに、エミール・ゾラよりも脚色されたドレフュス大尉の方が格段に感情移入し易く、題名の「ゾラの生涯」にも疑問を持つほど、ドレフュスの存在を感じました。やはり、昔の映画はいいですね。音楽や下手な映像技術に一切頼らず、正統派で責めてきますので出演者たちの演技が際立ちます。特に、エミール・ゾラを演じたポール・ムニは役ごとに本当にばける俳優さんだなぁと驚きました。ポール・ムニの生涯で最も素晴らしい演技なのではないでしょうか。法廷でのドレフュス無罪を演じるシーンは画面を通して、観客である私の心にまで大きく響き、自然に涙が流れてしまいました。ドレフュスを演じたジョゼフ・シルドクラウトは本作でアカデミー賞を受賞しているドイツの俳優さんです。威厳ある演技を見せていましたが、個人的には受賞レベルまでのインパクトは無く、特に出番も多いわけではないので、アカデミー史上、驚きの受賞の一つに数えられています。本人もアカデミー賞を受賞出来るとは思っていなかったそうで、アカデミー賞授賞式の日には既にベッドに入っていて、壇上で自分の名前が呼ばれ、電話で呼び出され授賞式に出席したとのエピソードが残っています。今でさえ、アカデミー賞は何時間も続く豪奢な式になっていますが、昔は簡素なパーティー形式。こんな微笑ましいエピソードもあるんですね。

結局はアカデミー賞作品賞を受賞してはいますが、やはり時間をかけてドレフュスの背景をもっと深く丁寧に描いていればと俳優が健闘していただけに悔やまれます。人物造形をもっともっと深く掘り下げないと、観客は余り感情移入出来ないので、残念でした。ただ、物語自体は現代でも通ずる普遍性を持っていて、大変楽しめる大人な映画へと仕上がっています。
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