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2006年03月10日 [01:10] [映画レビュー]1970~1979年 

キャバレー Cabaret

「キャバレー」  5点満点中 

監督:ボブ・フォッシー
脚本:ジェイ・アレン
出演:ライザ・ミネリ/マイケル・ヨーク/ジョエル・グレイ/ヘルムット・グリーム/フリッツ・ウェッパー

■AWARDS■
★アカデミー賞★
監督賞 ボブ・フォッシー 受賞
主演女優賞 ライザ・ミネリ 受賞
助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞
編集賞/撮影賞/美術賞/主題歌賞 受賞

作品賞 ノミネート
脚色賞 ノミネート

★イギリス・アカデミー賞★
作品賞 受賞
監督賞 ボブ・フォッシー 受賞
主演女優賞 ライザ・ミネリ 受賞
最優秀新人賞 ジョエル・グレイ 受賞
撮影賞/美術賞/サウンドトラック賞 受賞

助演女優賞 マリサ・ベレンソン ノミネート
脚本賞/撮影賞/編集賞/衣装デザイン賞 ノミネート

★全米映画組合賞★
監督賞 ボブ・フォッシー ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
作品賞 ミュージカル・コメディ部門 受賞
主演女優賞 ミュージカル・コメディ部門 ライザ・ミネリ 受賞
助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞

監督賞 ボブ・フォッシー ノミネート
助演女優賞 マリサ・ベレンソン ノミネート
作曲賞/主題歌賞/脚本賞 ノミネート

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
作品賞 受賞
監督賞 ボブ・フォッシー 受賞
助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞
助演女優賞 マリサ・ベレンソン 受賞 

★全米映画批評家賞★
助演男優賞 ジョエル・グレイ 受賞

★全米脚本家組合賞★
脚色賞 受賞

■PLOT■
1930年代ドイツ・ベルリン。街は何万人もの失業者に溢れ、政局はナチスが台頭し大混乱を極めていた。そんな中、キャバレー「キット・カット・クラブ」では世間の雑事とは一切無縁であった。アメリカ人の若きサリー・ボウルズ(ライザ・ミネリ)は、女優を夢見てキャバレーの舞台に立ち続けていた。彼女のアパートの隣室に英国人の教師ブライアン(マイケル・ヨーク)が越してくる。ブライアンは女性に対して不能者であると思われたが、サリーと恋におちる。

■COMMENT■
『オール・ザット・ジャズ』『レニー・ブルース』でアカデミー賞作品賞・監督賞にノミネートされた、ミュージカルの神様と呼ばれるボブ・フォッシーが『ゴッドファーザー』のフランシス・フォード・コッポラを退けてアカデミー賞監督賞を受賞した名作ミュージカル。初めて高校生の頃鑑賞した時はライザ・ミネリの良さはかろうじて分かったものの、キャバレーのMCを演じたジョエル・グレイの存在価値が良く分からず、気持ち悪いなとの印象しかなかったが、少し大人になってどんどん良さが分かって来た。本作の全てはキャバレーのMCであるジョエル・グレイが握っていると言っても過言ではない。ジョエルとキャバレーで働き女優を目指すショーガールを演じたライザが完全に心地よく飽和して
いて、化学反応を起こし、本作の出来を不動のものとしている。後にも先にもこのようなミュージカルは二度と出来ないだろう。

本作はフォッシーの持ち味とも言える振付が存分に生かされていないように一見見えがちだが、小さなキャバレーの舞台上で、フォッシーが舞台で今まで積み上げて来たものがいかんなく発揮されている。また、映画監督として2作目で本作を演出したと思うと脅威である。まず映画のファーストシーンが素晴らしい!そこはキャバレー。バックではキャバレーの楽団が何やら楽器の試し演奏をしている音が聞こえる。カメラがスローでレフトへと動き、突如顔が白塗りのキャバレーのMCが現れ、カメラ目線で観客に向かって、にやりと不気味な笑みを投げ掛ける。そこから『Willcomen』というナンバーが始まる。『Willcomen』とはドイツ語で『ようこそ!』という意味であり、キャバレーにいる人々にショーの始まりにMCがショーの出演者たちと共に歌をもって出迎える。そして、私たち観客にも映画の始まりをキャバレーのショーをもって、歓迎してくれる。シカゴ』のファーストナンバー『All That Jazz』ように決して派手なナンバーではないが、観客の中にナチスの将校らしき人物が見受けられたりと、本作の背景とテイストを私たち観客に知らせる役割を果たしている。なんとも言えないエロティックで退廃的な雰囲気が漂う。このファーストシーンで、フォッシーは、当時のベルリンの絵画を何枚か画面全体に写し、完全に当時の時代背景を醸し出す事を演出により成功させている。また、もう一つ驚くべき演出は、カメラの前に何人も人が過ぎるのだ。それにより、より我々がキャバレーの客となり舞台を鑑賞している感覚に陥る。

映画が進むにつれて、何か進展がある度にキャバレーシーンへと切り替わり、MCがナンバーを繰り広げる。MCは狂言回りのような役割である。ジョエル・グレイはこのMCの役で、アカデミー賞助演男優賞に輝いた。またこの時に同部門にノミネートされていたのが強敵ぞろいで、『ゴッドファーザー』組みから本命と目されていたアル・パチーノをはじめとして、ジェームス・カーン、ロバート・デュバルを抑え受賞した。また、本作の舞台版では同役を演じトニー賞の主演男優賞を受賞している。私はかつて、1999年と2003年のリバイバル版の「キャバレー」を鑑賞しましたが、MCを演じたアラン・カミングや日本でもお馴染みのアメリカンホームドラマである「フルハウス」のジェシーおじさんをずっと演じていたジョン・ステイモスがこのMC役に挑みましたが、共に健闘していたものの、グレイのMCには足元にも及んでいませんでした。役柄へのアプローチの仕方が全く違ったのにも驚きましたが、グレイと同じようなキャラクター形成で臨むと確実にグレイの陰に隠れてしまうので、あえて変えたんだと思いますが、改めてグレイの演技の素晴らしさに感嘆したものでした。まるでナイトメアのような、悪魔的な演技。でもどこかクリーミーでまろやかなんです。人間とはとても思えないようなキャラクター造詣で、グレイの生涯の当たり役とも言えるでしょう。

本作でアカデミー主演女優賞を獲得したのが、ジュディー・ガーランドの娘であるライザ・ミネリである。お母さんと同じで歌も大変上手で(今年アカデミー賞を受賞したリース・ウィザスプーンはとてもとても及びません)大変自然体で、生き生きと演じていました。誰もが納得の受賞でしょう。残念ながら、アカデミー助演女優賞にはノミネートされませんでしたが、モデルから転向したマリサ・ベレンソンも大変繊細で的確な演技を見せていたので良かったです。このようなミュージカル映画で歌を歌わずに自分をアピールするのは非常に難しいのですが、しっかり本作の中で自分の居場所を見つけ、自らをアピールしていたように思います。

本作はミュージカルがメインである一方で、しっかりと当時の時代背景や問題を提示していました。問題とはナチスです。ジョエル・グレイがゴリラと一緒に踊り歌う「If You Could See Her」でもナチスを皮肉っていますが、一番怖い演出が「Tomorrow Belongs to Me」です。一人の美青年がナチスの歌を歌い、それはただただ美しい歌声に耳を傾けるだけだと思いきや、周りの人々がその美青年に加わり、皆でナチスのための歌を歌う。美しい歌がナチスによる恐怖の歌へと変貌する瞬間である。ナチスにより、殴られ、殺されていく人々。死体が平然と街中に転がっている。そんな現実とも直面する。サリーもMCもブライアンも時代による被害者なのである。

ただのミュージカルでなく、時代を映した映画です。

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