スポンサー広告 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

no-comment | no-trackback | Edit | Page Top.↑

2006年04月05日 [00:13] [映画レビュー]2005~ 

Mrs. Henderson Presents

「Mrs. Henderson Presents」  5点満点中 

監督:スティーブン・フリアーズ
出演:ジュディ・デンチ/ボブ・ホスキンス/クリストファー・ゲスト/ウィル・ヤング/ケリー・ライリー

■AWARDS■
★アカデミー賞★
主演女優賞 ジュディ・デンチ ノミネート
衣装デザイン賞 ノミネート

★イギリス・アカデミー賞★
主演女優賞 ジュディ・デンチ ノミネート
脚本賞/作曲賞/衣装デザイン賞 ノミネート

★ブロードキャスト映画批評家賞★
主演女優賞 ジュディ・デンチ ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
主演女優賞 コメディ/ミュージカル部門 ジュディ・デンチ ノミネート
助演男優賞 ボブ・ホスキンス ノミネート

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
ベスト・アンサンブル・キャスト賞 受賞

★全米俳優組合賞★
主演女優賞 ジュディ・デンチ ノミネート

■PLOT■
戦時下のイギリス。70歳のローラ・ヘンダーソン(ジュディ・デンチ)は、夫を亡くしたばかり。しかし、亡き夫のために涙を流すような女性ではない。同じ未亡人の友人からのアドバイスを受けて、第2の人生をスタートさせる事を決める。そこでローラはふと目に付いた劇場を買い取り、華々しいミュージカルを上演する事を思いつく。そこでローラは弁護士に相談したところビビアン・バンダム(ボブ・ホスキンス)という、敏腕の劇場経営者を紹介され、彼に劇場経営を任せる事に。最初のミュージカルは当たったが、すぐに他の劇場に真似されて、客足は衰えていく。そこで、ローラは女性たちが裸になるミュージカルを上演する事を思いつく。そんな突拍子な彼女の内側には、皆に秘密にしている事があった…

■COMMENT■
とってもチャーミングな映画でした!
激動の時代、第2次世界大戦下のイギリスの話である。未亡人になったお金持ちのローラ・ヘンダーソンが劇場を買い取り、その劇場でヌードミュージカルを上演する話である。しかし、ヘンダーソン夫人には秘密があり、ヌードのミュージカルを上演し続けるのも理由があるのである。イギリスは結果として戦勝国となったが、戦勝国にも敗戦国も戦争に参加した国・国民にはそれぞれ抱える思いがあるには変わりはない。私は敗戦国の日本で生まれ育ち、それなりに先人たちの苦労であるとか激動の大戦時代を知っているつもりではあるが、戦勝国であるイギリスの国民の感情も本作を通して深く私に伝わってきました。本作はコメディ/ミュージカルであり、ジュディ・デンチを始めとしボブ・ホスキンスの演技もコメディタイプで見ていて楽しいのだが、その根底にはドラマの要素が大きく存在し、深い感動を観客に与えてくれる。

ジュディ・デンチの演技は見ていて楽しく、喜怒哀楽を的確に表現していました。ちょっと口は悪くて皮肉屋だけど、死んだ息子の事を今でも考えている女性・ローラ・ヘンダーソンは彼女しか演ずる事が出来ないと思うほどの出来でした。ボブ・ホスキンスも多少単調ではあったが、大変存在感があって、力強い演技でした。スティーブン・フリアーズの演出も軽快でテンポ良く、ミュージカルの華やかさと戦争の残酷さとを絶妙に織り交ぜて、感動作に仕上げている。

日本では本年中に公開される予定です。

『We never closed』が、『We never clothed』とひっかけてあるんでしょうね。笑ってしまいました。

Comment:1 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2006年04月04日 [03:51] [映画レビュー]2005~ 

グッドナイト&グッドラック Good Night & Good Luck

「グッドナイト&グッドラック」  5点満点中 

監督:ジョージ・クルーニー
出演:ディビッド・ストラザーン/ジョージ・クルーニー/ジェフ・ダニエルズ/パトリシア・クラークソン/ロバート・ダウニー・Jr./フランク・ランジェラ

■AWARDS■
★アカデミー賞★
作品賞 ノミネート
監督賞 ジョージ・クルーニー ノミネート
主演男優賞 ディビッド・ストラザーン ノミネート
脚本賞/撮影賞/美術賞 ノミネート

★イギリス・アカデミー賞★
作品賞 ノミネート
監督賞 ジョージ・クルーニー ノミネート
主演男優賞 ディビッド・ストラザーン ノミネート
助演男優賞 ジョージ・クルーニー ノミネート
脚本賞/撮影賞/編集賞 ノミネート

☆ボストン映画批評家賞☆
撮影賞 受賞

★ブロードキャスト映画批評家賞★
作品賞 ノミネート
監督賞 ジョージ・クルーニー ノミネート
主演男優賞 ディビッド・ストラザーン ノミネート
脚本賞/ベスト・アンサンブル・キャスト賞 ノミネート

★全米監督組合賞★
監督賞 ジョージ・クルーニー ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
作品賞 ドラマ部門 ノミネート
監督賞 ジョージ・クルーニー ノミネート
主演男優賞 ドラマ部門 ディビッド・ストラザーン ノミネート
脚本賞 ノミネート

★ロサンゼルス映画批評家賞★
撮影賞 受賞

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
作品賞 受賞

★全米俳優組合賞★
主演男優賞 ディビッド・ストラザーン ノミネート
ベスト・アンサンブル・キャスト賞 ノミネート

★全米脚本家組合賞★
脚本賞 ノミネート

■PLOT■
1950年代初頭、ウィスコンシン州から選出されていた上院議員のジョゼフ・マッカーシーによって、共産主義者をアメリカから追放する『赤狩り』が猛威を振るっていた。人々は『赤狩り』の恐怖に震え、自殺する者さえ出ていた。そんな中、CBSのニュースキャスター、エドワード・マーロウ(ディビッド・ストラザーン)とマーロウの担当する番組のプロデューサー、フレンドリー(ジョージ・クルーニー)は、番組の中でマッカーシーを取り上げ、彼に毅然と立ち向かう事を決める。しかし、二人は上層部から圧力をかけられる…

■COMMENT■
本作は2005年の傑作の一つである。
演出・演技・撮影・脚本・編集・美術のいずれもが美しく実に見事であり、これほどまでに緻密に構成された映画であるならば、もはや本作の成功は早くの段階で決定していたであろう。

1950年代にアメリカに吹き荒れた忌まわしき『赤狩り』がテーマの話である。『赤狩り』とは、共産主義者を取り締まる事。今風に言えば、『リベラル』な考え方を持った人間を取り締まる事である。この『赤狩り』は庶民はもちろん、各著名人にまで被害を及ぼし、例えばチャールズ・チャップリン、キム・ハンター、ウィリアム・ワイラーなどなど映画人までもが取締りを受けている。現にチャップリンを例に取れば、『赤狩り』以降アメリカに戻ってくるまでに20年以上かかっている。『赤狩り』と言っても、共産主義者だけを取り締まるのではなく、『赤狩り』を絶対的な権力で推奨したジョゼフ・マッカーシー上院議員に対抗した者全てが共産主義者とみなされたというから話はひどい。そんなマッカーシー議員に真正面から対抗したマーロウは信念に燃える熱い男だったのでしょう。公共の電波を使い、上院議員を真正面から責めるのですから、それ相応の覚悟はもちろん、マーロウも「赤」と見なされてしまうのは容易に想像出来る事。マーロウの勇気は今でもアメリカで語り継がれているとの事。民主主義の中で、自由な言論社会でないという不条理さを胸に、マーロウはマッカーシーに挑んだのである。心から敬服しました。

本作はアカデミー賞にて6部門ノミネートされるなど、素晴らしい快挙を成し遂げました。ジョージ・クルーニーの演出は、2作目とは思えないほどの素晴らしい出来。静かに淡々と盛り上げていく演出は目を見張りました。無駄なカットや音楽は一切なく、非常にシャープで且つテンポが良く物語りは進んで行きました。ディビッド・ストラザーンという俳優に本作で初めて注目しましたが、いやはやびっくり。ドライで乾いた演技。決して自らの感情を外には出さず、内に秘めた信念で生きるマーロウを見事に演じていました。(余談ですが、ストラザーンは役者顔でなんともいい声を持っているので、お気に入り俳優の一人になったほど。)他にもパトリシア・クラークソンやジェフ・ダニエルズ、フランク・ランジェラなどなど良い俳優が様々集めっているが、マーロウの独断場のシーンが多く、またマーロウをどうしても注目させるような撮り方・演出になっているので、ストラザーンファンとしては大変おいしい。白黒の撮影も大変美しく、物語の構成も実に上手い。

本作は1950年代の「赤狩り」をモチーフにして入るが、現代の言論統制に大きなメッセージを与えている。クルーニー監督が現在のアメリカ政府に対して大いなる不満を持っている事は明白であった。クルーニー監督は今のアメリカには否定的な立場であっても、本作を機に少しずつ言論の場が広がり、アメリカの立位置が変わっていく事を私も切に願うばかりです。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2006年04月02日 [04:07] [映画レビュー]2005~ 

イカとクジラ(仮題) The Squid and the Whale

「イカとクジラ(仮題)」  5点満点中 

監督:ノア・ボーンバッハ
出演:ジェフ・ダニエルズ/ローラ・リニー/ジェシー・アイゼンバーグ/オーウェン・クライン/ハリー・ファイファー/アンナ・パキン/ウィリアム・ボールドウィン

■AWARDS■
★アカデミー賞★
脚本賞 ノミネート

★イギリス・アカデミー賞★
脚本賞 ノミネート

★ブロードキャスト映画批評家賞★
作品賞 ノミネート
作曲賞/サウンドトラック賞 ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
作品賞 ミュージカル/コメディ部門 ノミネート
主演男優賞 ミュージカル/コメディ部門 ジェフ・ダニエルズ ノミネート
主演女優賞 ミュージカル/コメディ部門 ローラ・リニー ノミネート

★ロサンゼルス映画批評家賞★
脚本賞 受賞

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
脚本賞 受賞

★全米映画批評家賞★
脚本賞 受賞

★ニューヨーク映画批評家賞★
脚本賞 受賞

★全米脚本家組合賞★
脚本賞 ノミネート

■PLOT■
ブルックリンに住む中産階級の4人家族。高校生のジェシー(ジェシー・アイゼンバーグ)の父ベルナルド(ジェフ・ダニエルズ)は、売れない作家。作家としては食べていけないので大学で授業を行っている。母ジョーン(ローラ・リニー)は、映画評論家。近頃ニューヨーカー誌に記事が掲載され、売れ始めてきた。弟フランク(オーウェン・クライン)はプロのテニスプレイヤーになる事を夢見る中学生。ある日、ジェシーとフランクは両親から突然離婚する事を告げられる。親権は父・母両方が持つ事になる。ジェシーは父ベルナルドから母ジョーンが4年前からフランクのテニスコーチ・アイバン(ウィリアム・ボールドウィン)とフリンしていた事を知らされ、母親嫌いに。フランクは両親の離婚をきっかけに、酒を飲み奇怪な行動を繰り返すようになる…

■COMMENT■
ボーンバッハ監督の自伝的作品である。作風自体は笑いの要素を一切省いているが、コメディである。テンポは非常に軽快であり、巧妙に構成され、観客の心を鷲づかみにしてあっという間にエンドロールまで進んで行く。本作の主人公は高校生のジェシーである。ジェシーは幼い頃にニューヨークの自然博物館で見た「イカ」と「クジラ」が絡み合い格闘している大きな模型を見て、それ以来その「イカとクジラ」を自らの父と母に重ね合わせている。ジェシーの「イカとクジラ」に対する思いは恐怖であった。父とは母この「イカとクジラ」のように毎日喧嘩し、いがみ合っている。ジェシーはそんな両親の離婚から初めての彼女との出会い・別れ、様々な事を体験し、ラストシーンで幼少のとき以来、「イカとクジラ」に対峙する。そこで、ジェシーはこう思うのだ。両親も人間なんだと。ジェシーは完璧な両親をどこかで求めており、自分の理想とはかけ離れている両親をどこかで許せないでいたのだ。しかし、再び「イカとクジラ」と両親を重ねる事により、両親も人間なんだ。欠点はあるんだと両親を人として見つめる事が出来る、そんな構成になっている感動傑作だ。

父ベルナルドは母ジョーンを見下している。これは明らかだ。しかし、最近、妻が売れ始めてきて立場が逆転し始めている。それがベルナルドにとっては許せない。負けず嫌いなのだ。冒頭シーンにて如実に現れているが、テニスのゲームにてジョーンを集中的に狙い、こてんぱんにやっつける。これには思わず苦笑い(笑)または、息子と卓球をやるシーンがるが、息子に負かされているだけで、本気でキレる(笑)ベルナルドはただ単にプライドが高いだけであって、ジョーンの事を愛していたんだと思う。私は鑑賞していて節々にそれを感じました。そして、ジョーンは既にベルナルドの気持ちに応えられなくなっている。ちょっと淋しいですね。

ジェフ・ダニエルズとローラ・リニーの演技は絶好調。ジェフ・ダニエルズは目の使い方や台詞回し、彼の一挙一動において今までベルナルドがどんな人生を送ってきたか想像出来る。妻の不倫相手が文学や映画を知らないただのスポーツ馬鹿だ!なんて、台詞で言わなくてもベルナルドが思っている事くらい分かってしまう、そんな演技でした。父親として息子を束縛するけど、実は愛情の裏返しなんだよみたいのも伝わってきた。なんとも味のある演技でした。ローラ・リニーに関しても、近年は彼女は大変調子がいいですね!ジェシーのギターの発表が終わり、食事に誘うシーン。ベルナルドと対峙するシーン。ベルナルドとジョーンの奥深くまでの関係が見える透き通った演技。大変良かった。

ノア・ボーンバッハ監督が担当した脚本も各賞を賑わせただけあって、大変緻密に構成された良質の本でした。台詞がいいんですね。

鑑賞して間違いなしの本作、日本の公開は10月予定。配給はソニーです。もっと早く公開してもらって、早くDVDが欲しいな。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2006年03月30日 [02:03] [映画レビュー]2005~ 

SAYURI Memoirs of a Geisha

「SAYURI」  5点満点中 ★★☆

監督:ロブ・マーシャル
出演:チャン・ツィイー/コン・リー/ミシェール・ヨー/渡辺謙/桃井かおり/工藤夕貴/大後寿々花/役所広司

■AWARDS■
★アカデミー賞★
美術賞/撮影賞/衣装デザイン賞 受賞

作曲賞/録音賞/音響効果賞

★イギリス・アカデミー賞★
作曲賞/撮影賞/衣装デザイン賞 受賞

主演女優賞 チャン・ツィイー ノミネート
メイクアップ賞/プロダクション・デザイン賞 ノミネート

★ブロードキャスト映画批評家賞★
作品賞 ノミネート
作曲賞/サウンドトラック賞 ノミネート

★ゴールデン・グローブ賞★
作曲賞 受賞

主演女優賞 ドラマ部門 チャン・ツィイー ノミネート

★ナショナル・ボード・オブ・レビュー★
助演女優賞 コン・リー 受賞

★全米俳優組合賞★
主演女優賞 チャン・ツィイー ノミネート

■PLOT■
昭和時代初頭。日本海近くの貧しい漁村で生まれ育った千代は9歳の時、置屋「新田」に身売りされる。「新田」には売れっ子芸者初桃(コン・リー)と千代に対して優しく接してくれるおカボ(工藤夕貴)がいた。初桃の執拗ないじめを受け、苦悩の毎日を送る千代に、ある日会長(渡辺謙)が優しく声をかける。親元を離れてから初めて優しくされた千代は会長に恋をし、芸者となり会長と再会することを夢見ることとなる。15歳になった千代に転機が訪れる。ライバルの置屋の売れっ子豆葉(ミシェール・ヨー)が千代を芸者として育てたいと「新田」に申出て来たのである。そして、千代は豆葉のもとで修行を受け、「さゆり」として芸者の道を生きる事となる。

■COMMENT■
本作には原作が存在し、原作ではあるアメリカ人の視点から日本・芸者が描かれていくのであるが、映画でもどうも日本人である私に馴染めない不可解な日本の描き方が多かったと思う。まず第1点。昭和の頃の芸者たちが英語で喋っている姿。むむむ…これは違うぞ。何故、中途半端に日本語を使うんだ!(「こんにちは」「おかあさん」「おきや」などなど)第2に、私は着付け等は詳しくないので良く分からないが、どうもコン・リーの着付けの仕方が役柄の影響も合ってかオカシイような気がしてならなかった。コン・リーよ、あれは芸者ではなく娼婦である。その他もろもろ、例えば芸者はあんな高下駄は履かないよとか、不思議な点が多かったがまぁよしとしよう。アメリカ人が描く日本など所詮中途半端である。しかし、アメリカ映画としてみても中途半端である。これは頂けません。

本作において絶賛すべきは出演者たちの演技である。悲しいかな、日本人を演じた中国人役者たちが他の日本人たちより圧倒的な存在感を見せ、素晴らしい名演技を披露している。特に絶賛すべきがミシェール・ヨーとコン・リーである。ヨーの圧倒的な存在感にはもう絶句しました。彼女が出てくるたびに何故かほっとしました。コン・リーの役柄自体は好きではないが、初桃という役を見事に演じ切ったでしょう。

演出はさすが舞台出身のロブ・マーシャル監督だけあって、特に陰影において素晴らしさを感じました。ただ、このくらいの画ならば日本人の方がもっともっと良い画が取れるなんて思ってしまいました。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

2006年03月21日 [00:30] [映画レビュー]2005~ 

オリバー・ツイスト Oliver Twist

「オリバー・ツイスト」  5点満点中 ★★★

監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク/ベン・キングズレー/マーク・ストロング/ジェイミー・フォアマン/エドワード・ハードウィック



■PLOT■
チャールズ・ディケンズの同名小説を「戦場のピアニスト」にてアカデミー賞監督賞を受賞したロマン・ポランスキー監督が完全映画化。時は19世紀イギリス。救貧院へと連れられて来た10歳のオリバー・ツイストは、夕食の際に「おかわり」を求め、院を追放される。70マイル彼方にあるロンドンへ7日間かけてたどり着いたオリバー。そこでオリバーは悪党フェイギンがボスとして束ねる少年盗賊団と出会う。




■COMMENT■
さすが80億円もの制作費をかけただけあって、19世紀当時のイギリスの情景がものの見事に再現されていました。圧倒的な存在感のロンドン。まるで、私たち観客までもが、当時のロンドンに迷い込んでしまうような、圧倒的な美術でした。また、衣装も大変素晴らしく当時のイギリス人の庶民から上流階級の人々までの衣装が見事に画面に映えていました。

今まで何度も映像化されてきたチャールズ・ディケンズ氏著の「オリバー・ツイスト」が原作である。そして、恐らく本作がディケンズ氏の著書にストレートに映像化を試みた作品だと思われる。ポランスキー監督は、ディケンズ氏の作品の完全映画化を目指したのかもしれませんが、本作はそういった観点から考えると、ちょっと正直に映像化しすぎたのではなかろうか、そう思います。脚本家の段階から失敗が見えていたのかもしれません。ディケンズ氏の著書は読んでいるだけで、私達人間が持つ「想像力」を働かせて、頭の中で自分自身で映像化し、ディケンズ氏の言葉の魔力・構成の上手さ等に魅了され、本を読み進めていく事が出来ますが、本作は文面をそのまま映像化した印象があり、特にオリバーの人物描写に関しては、全くといっていい程、肉付けされておらず、オリバー少年に感情移入し映画を鑑賞する事が、残念ながら出来ませんでした。また、本作のペース自体も大変スローで、途中かなり中だるみがあったのは否めません。大体の方は、本作のラストをご存知でしょうが、残念ながらオリバー少年に感情移入が出来なかったのと、余りにも観客に与えられるプロットが少なかったので、ラストシーンもあっけなく終わってしまいました。オリバーの不幸は十分に伝わったので、どうしてブローンロウ氏がそこまでオリバーを救おうとするのか、二人の心の繋がりをもっともっとシーンを増やして、巧みに語って欲しかったと思います。そうすれば、もっともっとラストも感動的になっただろうと考えます。しかし、オリバーとフェイギンのシーンは十分すぎるほど本作の中で描かれておりましたので、フェイギンの最後のシーンでは、分かっていながらも感動しました。

フェイギンを演じたベン・キングズレーは最高レベルだった。こういった演技をまさしく怪演と呼ぶのであろう。各映画賞では、作品の成績も振るわなかったのもあってか、一切注目されませんでしたが、こういった演技こそ評価に値すべきだと思いました。

アメリカでは興行的に大失敗を喫し、日本でも成績は振るわず、期待された割には残念な作品となってしまいました。

Comment:0 | Trackback:0 | Edit | Page Top.↑

    日本一早いアカデミー賞ノミネート&受賞予想、年代を問わない数々の作品のレビュー。
    当ブログで独自に設立した映画賞、FAAのブログ。



    当ブログを気に入って頂けた方はポチッとお願いします↓↓↓
    にほんブログ村 映画ブログへ

    50音順映画レビューは↓↓↓

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。